elephant42 の組み立てかた

October 24, 2021 · View on GitHub

自作キーボードキット elephant42 のビルドガイド(組立説明書)です。

組み立ての前に、このビルドガイドを先に読んで理解して、材料・工具等を揃え、環境構築をし、最後に実際の組立作業を行ってください。

なにか良くわからない、うまくいかないときは、ガッカリしてそこで諦めてしまわずに私に連絡してみてください。できる限り力になる努力をしたいと思います。

「なにをしようとして」「なにをしたけど」「どうなってしまっているのか」をわかりやすいように質問して頂けるとスムーズです。

準備

キット内容の確認

内容物に不足や破損などがないか確認してください。

各アクリルプレートは表裏面に保護紙が貼られています。すぐ剥がしても良いですが、指紋やホコリや汚れがつかないよう組付け直前まで剥さないでおいたほうがいいです。

基板(PCB)トッププレートミドルプレートボトムプレート
メイン基板(PCB) ... 1枚
※1
トッププレート ... 2枚
(薄くて穴が小さい方)
ミドルプレート ... 2枚
(厚くて穴が大きい方)
ボトムプレート ... 2枚
ProMicro 保護プレートダイオードMX 互換スイッチ用 PCB ソケットTRRS ジャック
ProMicro 保護プレート ... 2枚
※2
ダイオード ... 44個
(予備2個)
MX 互換スイッチ用
PCB ソケット ... 42個
TRRS ジャック ... 2個
タクトスイッチスペーサー(短)スペーサー(長)ネジ
タクトスイッチ ... 2個
※色は異なる場合があります
スペーサー(短) ... 20本スペーサー(長) ... 4本ネジ ... 40本
クッションゴム
クッションゴム ... 10個

※1... v1から基板の色は白となりました。組み立て方に違いはありません。

※2... ProMicro 保護プレートは elephant42 ロゴ刻印入りの 2mm 厚のものが 2 枚、3mm 厚のものが 2 枚、計 4 枚含まれています。好みで選択してください。

必要部品の調達

キットに含まれていないが必要なものを購入します。

初心者向けのおすすめ購入先 (国内通販) のリンクも併せて載せておきますので参考にしてください。

必須

オプション

  1. OLEDモジュール(ピンソケット付き) ... 2個
  2. SK6812MINI-E ... 54個

工具の準備

組み立てだけでなく、修理などでも工具は必要になります。また特に電子工作は、良い工具を使うと作業がぐっと簡単になります。 お財布と相談しつつ、なるべく良い工具を揃えると良いでしょう。

また、自宅から通いやすい場所に工作スペースがある場合は、そちらの利用も考慮すると良いかもしれません。

必要なもの

あると良いもの

  • 油性ペン
    • 基板側面を塗るのに使います。お好みの色を用意してください。
    • ポスカが発色良くおすすめです。マッキーやプラモデルで使用するガンダムマーカーなどでも問題ありません。
  • ふつうのニッパー
    • ダイソーで購入したものを使用
    • プラモデル用の良いニッパーは刃をダメにするので共用しないことをおすすめします。
  • エポキシ系接着剤
    • ダイソーで購入したものを使用
  • テスター
    • ほんとはあったほうが良いと思うけど、電池と電子ブザーとリード線を雑にくっつけただけの物を使用しています
  • はんだ付け用作業マット
    • ほんとはあったほうが良いと思うけど、使ってません
  • カッターマット
    • 机を傷つけなければ古新聞でも本キットの外箱でも何でも良い。今回はプラモデルで使用するものを使用

買い物をする上で参考になるもの

先人に学ぼう。

(初心者向け) はんだ付けの勉強

elephant42 は完成までに最低でもおよそ200箇所、最大でおよそ440箇所をはんだ付けすることになります。

人生初だったり、中学校以来久しぶりのはんだ付け、のような人はとくに、はんだ付けのやりかたを勉強しておくと良いです。

はやく完成させたい気持ちでここを飛ばしていきなり着手してしまうと、およそろくなメにあわないです。ほんとに。

はんだ付けの基本動作

https://youtu.be/ZA-ehWjRfYM

ProMicro、タクトスイッチ、TRRSジャックなどを実装する際にスルーホールをはんだ付けするため、こちらの動画で学習すると効率的です。

https://youtu.be/oq3Q3n57-B0

表面実装ダイオード、LEDなどをはんだ付けする方法は、こちらの動画で学習すると効率的でした。

https://youtu.be/vqKKElJ1vw0

組み立て工程全体の確認

Daihuku Keyboiard チャンネルさんで素晴しい動画を作っていただいたので是非視聴してビルドの確認をしてみてください!!

自作キーボード作ってみた elephant42編 | elephant42 : Custom Mechanical Keyboard Build

ついでに高評価・チャンネル登録もしておくと良いのではないでしょうか!!!!

※ 動画が作成された当時と今現在のビルドガイドで組み立て工程に若干の違い(主にファームウェアまわり。すっごく便利になりました。)があります。混乱しないように!

Pro Micro のもげ対策

必須ではありませんが、やっておくと悲しい思いをしなくなるので良いです。

以下の記事などを参考に、エポキシ接着剤を MicroUSB ジャック周辺に盛り付けて端子を強化します。

ファームウェアを書き込む

さっそくはんだ付けをしたい!というはやる気持ちをグッとこらえて、まずは Pro Micro にファームウェアを書き込みます。

Remap(VIA) 対応ファームウェアを仕様する場合

ここ最近、 Remap という非常に便利でオープンなサービスが開始され、とっても便利かつ簡単に自作キーボードを設定できるようになったので強くオススメしています。

Google Chrome ブラウザより、 Remap キーボードカタログの elephant42 ファームウェア書き込みページ にアクセスします。

※現在、Remap は Google Chrome または Microsoft Edge 以外のブラウザではうまく動かすことができないそうです。

ここで、PC に Micro USB ケーブルを接続し、さらに Pro Micro を接続します。

elephant42_via.hex の下のほうにある FLASH をクリックします。ファームウェアの書き込み方法についての説明画面がでるので、その説明通りさらに FLASH をクリックします。

remap-keys.app がシリアルポートへの接続を要求しています という選択画面がでてくるので、RST と GND を一瞬ショートさせて Pro Micro を書き込み待機状態とさせます。 すると先ほどの選択画面に Arduino Micro という項目が出現するので、それを選択して接続ボタンをクリックします。

選択画面が消え、元の画面で処理が続行されます。最後に Writing the firmware finished successfully. とメッセージがでたら成功! CLOSE をクリックして書き込みを終了します。

connectremap
PC に ProMicro を接続するFLASHすると、選択画面がでてくる
firmwareremap
RST と GND を一瞬ショートさせて書き込み待機モードにする選択画面に、Arduino Micro がでてくるので、それを選択して接続

これを左右両方ぶんの Pro Micro 2 つに対して実施します。完了したら、Remap との接続確認をしましょう。

Remapのトップページ(https://remap-keys.app/) に飛び、START REMAP FOR YOUR KEYBOARD をクリックします。

さらに + KEYBOARD をクリックすると、キーボードの接続ウィンドウがでます。そこで elephant42 が出れば成功です!選択し、接続すると elephant42 のキーマップを編集したり、 LED の光りかたをいじったりできるのですが、今は Pro Micro に何もつながっていないので弄りようがありません。

USB ケーブルを抜くと元の画面に戻るので、両方の Pro Micro が正しくファームウェアを書き込めているか確認します。

うまくいかないときは、これまでの工程を注意深く確認しながらやり直してみてください。

OLEDを使用する場合 (あるいは、こだわり派/分かってる人向け情報)

OLED を使用する場合、また Remap(VIA) 版で対応していない機能 (主にQMKの最新機能など) を使いたい場合は、 非常に残念ながら Pro Micro の容量の問題から 上記の方法ではうまくいきません。 自分で QMK Firmware のソースコードをビルドし、Pro Micro に書き込む必要があります。

また、この方法で書き込まれたファームウェアは、Remap からキーマップの変更やLEDの操作ができません。基本的にすべてソースコードを弄ってはビルドし直す、という手順となります。

プログラミング経験がある方なら難なくできる程度、そうでなくてもドキュメントは揃っているので頑張ってみれば案外どうにかなっちゃう程度の難易度ですが、 黒い画面に白い文字で英語がズラっと並ぶ、よく映画でハッカーとかが見てるみたいな画面を見るハメになる ので自信がない人は OLED を諦めたほうがいいかもしれません。

ただ、個人的には OLED すごく力作だし、ちょっと前の自作キーボード界隈では誰もが普通にやっていた事ですし、なにより上手くいったときの喜びはひとしおですので、 食わず嫌いせずぜひトライしてみて欲しい です。 私に連絡いただければ出来る限るのサポートもさせていただきますよ!!

ということで、まずはファームウェアのビルド環境を整えます。

https://docs.qmk.fm/#/ja/newbs_getting_started

をよく読み、お使いのPCに環境を構築します。

うまくいったら、https://github.com/illness072/elephant42-firmware/releases にあるソースコードをダウンロード&展開し、 QMK がダウンロードされたディレクトリの keyboards/ の下に elephant42 というディレクトリを作成して、そこに中身をコピーします。

つまり、 <QMKの場所>/keyboards/elephant42/ に README.md や elephant42.c があるようになります。

git を使える人は、上記リポジトリを keyboards/elephant42 以下で git clone すると以降で更新がラクになります。

最後に qmk コマンドでビルド&書き込みします。

$ qmk flash -kb elephant42 -km default

とすると書き込みが実行されます。処理が進み、実際の書き込みを行う準備が整うと

Waiting for USB serial port - reset your controller now (Ctrl+C to cancel).....

と表示されるので、接続している ProMicro の RST と GND の両方を同時に一瞬だけピンセットなどで触れてショートさせます。

すると、Pro Micro のパワーランプが点滅し、実際の書き込みが開始されます。

最後に以下のような表示が出たら、書き込みは完了です。

avrdude done.  Thank you.

これを左右 2 つぶんの Pro Micro 両方に対して実施してください。

connectfirmware
PC に ProMicro を接続し、書き込みコマンドを起動します待機状態になったら、RST と GND を一瞬ショートさせて書き込み処理を実行します

なお、一部の環境では、コマンド実行時に以下のようなメッセージが出ることがあります。このときはそのまま Enter を押してしばらく待ち、書き込みが失敗して終わるのを待ちます。

sh: /tmp/1: Permission denied
.override rw-r--r--  root/wheel for /tmp/1? (y/n [n])

このように permission denied という文字列がでてエラーとなる場合は、

sudo qmk flash -kb elephant42 -km default

と書き換えて実行することで成功することができるかと思います。(パスワード入力を求められると思うので、アカウントのパスワードを入力してください。このとき画面には **** だとか ●●●● だとかは一切表示されませんが、それが普通なので気にせずパスワードを入力してEnterを押してください。)

ハードウェアの組み立て

お待たせしました! いよいよハードウェアの組み立てです!!

メイン基板 (PCB) の分割

PCB を 2 つに分割します。ミシン目に沿ってカッターで切り込みを入れ、手でゆっくり力をかけて折りとり、棒やすりで断面を整えます。

カッターで基板の他の部分を傷つけないよう注意してください。 基板を折るさい、他の部分が折れたり曲がったりしないよう対象箇所のすぐそばを持って力を加えてください。

初期状態切り込みを入れる
PCB を取り出し、カッターマットの上に置きますミシン目に沿って、カッターで切り込みを入れます。
他の部分に傷をつけないよう、弱めの力で何十回も刃を当てます。
切り込みを入れた折る
両サイド両面、ぜんぶで4箇所に切り込みを入れおわりました。他の部分が折れたり曲がったりしないよう注意して折ります。
固いようなら無理して折りとろうとせず、さらにカッターで深く切り込みを入れ直してください。
折れたやすりがけ
両サイドとも無事綺麗に折れました。真ん中の小さな破片は不要なので捨てます。折り取った面はギザギザで危ないので、棒やすりで綺麗にします。
やすりがけ作業は粉が飛び散るので、掃除しやすい場所で汚れても良い格好で行うことをおすすめします。
やすった
綺麗になりました。周囲を指でなぞって真っ平らになっていれば、微妙に縦線が入って見えていても大丈夫です。

(オプション) PCB 側面の色塗り

写真の通り、 PCB 側面はなんか変な色で見栄えが悪く、また完成後もよく見えてしまうので色を塗ってしまうことをおすすめします。

油性ペンで側面をなぞり、表面や裏面についてしまったインクはティッシュやキムワイプで拭き取ります。

色を塗る乾かす
PCB側面をペンで塗ります。はみだしたらすぐに拭き取りますその後すぐに作業をすると手が汚れるので、乾かします。

PCB と同じ色で塗るのが一般的ですが、あえて異なる色で塗ってアクセントとするような作例もまた素敵ですよ! また、Pro Micro も同じように側面を塗るとより完成度が高まります。

Pro Micro とコンスルーのはんだ付け

コンスルーの向きを確認し、写真を参考にして Pro Micro に嵌め込みます。

ProMicro とコンスルーが直角に取り付けられるよう、メイン基板 (PCB) にも嵌め込んだうえでコンスルーと ProMicro をはんだ付けします。

はんだ付けするのは ProMicro とコンスルーで、メイン基板 (PCB) とコンスルーははんだ付けしません。

ProMicro とコンスルーのはんだ付けが済んだら、ProMicro(とコンスルーをはんだ付けしたもの) は一度メイン基板から取り外しておきます。

コンスループロマイクロに挿す
コンスルーには向き(窓があいてる/あいてない)があります。コンスルーの向きを揃えて、 ProMicro のチップが見える側の面に挿します。
反対側はんだ付け
反対から見た図。コンスルーの向きが揃っているのを確認します。メイン基板 (PCB) に嵌めたうえで、各ピンを上からはんだ付けします。
(写真を撮り忘れて後から撮影したので、ProMicro 以外のものも取り付けられていますが見なかったことにしてください。)

なお、Pro Micro 上部からはみ出たコンスルーの足は切らないことをおすすめします。はんだ部が割れたり(クラック)、反対側から足がすっぽ抜けたりした事がありました。

(オプション) バックライト/アンダーグロウ LED の取り付け

フルカラー LED の取り付けといえば自作キーボード界では最難関の一つとされる作業ですが、新型 LED の登場によりこれまでより格段にラクで安全に取り付けができるようになりました。

以前に挫折した経験のあるかたも、今回あらためて挑戦してみてはいかがでしょう?

LED の動作確認方法

LED 取り付けば 1 個から数個とりつけるたびに動作確認をしていくとスムーズです。

すべての LED が同時に 「赤→緑→青→赤→...」と順番に点灯する RGB Test モードで LED を光らせることにより、はんだ付けした LED が無事に動いてるかどうかを確認できます。

Remap に接続し、elephant42 設定画面の右側、Lighting(太陽みたいなアイコン) をクリックして LED の操作画面を開きます。 Effect Mode を RGB Test にします。

消灯したい場合は All Off にすると消えます。

良いかんじに取り付け&テストが進んでいる様子

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親指のバックライトが光りました人差し指も光りました続いて中指と薬指。もうちょっと!小指も完了。これでバックライトは完了!アンダーグラウンドもOK。
片手ぶんすべて完了!!

また OLED を使用する場合など、Remap(VIA) 対応ファームを使用しない場合でも、一時的に Remap(VIA) 対応ファームを焼いて 上記通りに確認するのが一番てっとり早いです。 後の工程で実施するキーマトリクスの動作確認まで含めて Remap(VIA) 対応ファームで実施することをおすすめしています。

バックライト LED の取り付け

まずはバックライト LED (左手:L1〜L21、右手: L29〜L49) だけ取り付けてしまいます。左右 21 個ずつ、計 42 個取り付けます。

はんだ付けにはフラックスを使用すると簡単・綺麗に、かつしっかりと接着させることができます。

LED は非常に小さいパーツなので、ぶち撒けて悲しい気持ちにならないよう少しずつ取り出して取り付けると良いです。

こて温度設定置く
はんだごての温度を低めに設定すると LED を焼き切ってしまう可能性が格段に減ります。
使用するはんだの融点を確認して、なるべく低温で作業してください。
PCB は裏向き(銀色のパッドが上に来る) に置きます。
LED取り付け穴LED配置例
LED は白い文字(シルク)で Backlight あるいは Underglow と書かれた四角い穴に取り付けます。
L1, L2, ... と書かれた取り付け番号順に従って取り付けていってください。
LED は向きがあります。Backlight は下向きに、Underglow は上向きに配置します。
また LED から伸びた 4 本のタブのうち 1 つだけ切り欠きがあるので、そのタブが 'G' の位置に来るようにします。
向きが間違っているとLEDは点灯せず、最悪キーボード自体の故障にもつながります。細心の注意をはらって配置してください。
バックライト取り付け順バックライト取り付け例
図のように親指側から小指の順に、LED取り付け穴のそばにある白字の L1, L2 ... の記載(シルク)の番号順にそって取り付けます。L1 をはんだ付けしました。LEDのタブが基板から浮いていないか、しっかり目視確認してください。

アンダーグロウ LED の取り付け

バックライト LED の取り付けが完了して、LED TEST もすべてパスしたらアンダーグロウ LED (左手:L22〜L27、右手: L50〜L55) の取り付けに取り掛かります。左右 6 個ずつ、計 12 個取り付けます。

アンダーグロウ取り付け順アンダーグロウ取り付け例
次はアンダーグロウです。バックライト同様、シルクの番号順に取り付けます。L27 を取り付けました。バックグラウンドとアンダーグロウは表裏が逆になるので注意してください。

LED 取り付け トラブルシューティング

取り付け穴がきつくて LED が嵌らない

基板製造の製造誤差によりこうなってしまう場合があります。十分に検品しているつもりですが、抜けがあってすみません。

このような場合は無理に押し込まず、LED 穴の内側を棒やすりで少し削り、穴を広げてみてください。

光らない LED がある

その光らない LED か、その 1 つ前の LED がおかしい可能性が高いです。

elephant42 に使用されている SK6812MINI-E でなく、その改良前版の SK6812MINI についての記事ですが、 デバッグ方法がこちらの記事に詳しく書かれていますので、熟読されることをおすすめします。

コルネキーボードを作りました ~LED取り付けに四苦八苦記~ | キオクノロンダリング

SK6812MINI-E のピンアサインは以下の通りなので、SK6812MINI のそれとは異なります。適宜読み替えてください。

LED ピンアサイン(表)LED ピンアサイン(裏)
LED ピンアサイン(表)LED ピンアサイン(裏)

LED取り付け間違えちゃった!!

LED の修正で大事な事は、あわててすぐに取り外さないこと です。

基本的に、LED自体が壊れるか、向きを間違っているかでなければ、上から温めなおしたり追いはんだをするだけで上手くいくことが多いです。

部品の取り外しを行うさいは、慎重かつ上手にやらないと基板にダメージが行きやすく、最悪ランドが剥れるなどの大惨事になりかねないので十二分に注意してください。

もし基板が破損してしまった場合は、基板単体販売も行っていますのでそちらをご利用ください。

ダイオードの取り付け

ダイオードを左右 21 個ずつ、計 42 個取り付けます。ダイオードは向きがあるので注意してください。

ダイオードは非常に小さいパーツなので、ぶち撒けて暗い気持ちにならないよう少しずつ取り出して取り付けると良いです。

ダイオード取り付け前ダイオード取り付け後
|◁ マークのシルクがある箇所に取り付けます。|◁ の | がある方にダイオードの縦線が向くように取り付けます。

スイッチソケットの取り付け

スイッチソケットを左右 21 個ずつ、計 42 個取り付けます。ソケットにも向きがあるので注意してください。

スイッチソケットはさほど小さいパーツでもなく、ぶち撒けても言うほど辛い気持ちにはなりませんが、それでも一応少しずつ取り出して取り付けると良いです。

ソケット取り付け前ソケット注意点
ソケットを取り付けます。シルクの枠線通りに取り付けてください。一部ダイオード取り付け位置とすごく近い所があるので気をつけて取り付けてください。

TRRS ジャック、リセットスイッチの取り付け

TRRS ジャックおよび リセットスイッチをそれぞれ左右 1 つずつ取り付けます。

PCBを裏返し、表側から嵌め込み、また裏返して裏側をはんだ付けします。

TRRS ジャックは裏返したさいに落ちてしまうので、マスキングテープで固定しておくと良いです。

取り付け例
表側から TRRS ジャックとスイッチを嵌めこみ、裏側からはんだ付けをします。表裏に注意してください。

PCB から飛び出る TRRS ジャックやリセットスイッチの足が長すぎると感じるときは、ニッパーなどで少し切ってあげると見栄えがよくなります。

(オプション) OLED の取り付け

OLED を取り付ける場合は、OLED 付属のピンソケットを取り付けてください。

こちらも表側から嵌め込み、裏側をはんだ付けします。

ピンソケットは裏返したさいに落ちてしまうので、マスキングテープで固定しておくと良いです。

取り付け例完了
表側からピンソケットを嵌めこみ、裏側からはんだ付けをします。表裏に注意してください。ピンソケットにピンヘッダを挿し、さらに OLED を挿し、OLED とピンヘッダをはんだ付けします。

動作確認

ここまでではんだ付けの作業はすべて完了しました。これまでの作業が上手くできているかの確認をしましょう。

まず、ProMicro を取り付け、TRS ケーブルおよび USB ケーブルを接続します。USBケーブルは左手側に挿すようにしてください。

Remap に接続し、elephant42 設定画面の右下側、 … のアイコンをクリックしたメニューのなかから Test Matrix mode をクリックします。

Test Matrix mode では押されたキーが青く変化します。ぜんぶのキーについて動作確認(つまり表示されているキーがすべて青くなる)できれば完了です!

対象のキーについて一時的にソケットにキースイッチを刺して押してみるか、ピンセットでソケットの両端を触ることで確認をしていきます。

ProMicroを取り付けるスイッチソケットをショートする
表側から ProMicro を取り付け、全てのケーブルを接続し、再度ファームウェアを焼きます。
OLEDを取り付ける場合は、OLEDも取り付けますが、Remap(VIA)版ファームなのでこの時点では点灯しません。
任意のキーソケットをショートさせ、該当するキーが押されたように振る舞うかを確認する。裏側から触っていることになるため、左右逆になります。
動作確認デフォルトキーマップ(右)
各キーについて動作確認をしていきます・・・すべて青くなれば完了! おめでとう!!

動作確認 トラブルシューティング

LEDが光らない

デフォルトファームを焼いたばかりだと光らないはずなので、挙動としては正しいです。

Raise(右手側親指、内側から2番目を押しっぱなしにする) + c を押すと LED のオン/オフができます。

特定のキーだけが反応しない

キーソケットかダイオードのはんだ不良、ダイオードの向きが逆、などが考えられます

特定のキーが意図してない文字を入力する

どこかがショートしている可能性が高いです。しらみつぶしに確認してみてください

特定の行すべて、特定の列すべてが反応しない

Pro Micro の差し込み不良やコンスルーのはんだ不良が考えられます。

両手とも全てのキーが反応しない

特に左手の ProMicro が抜けかかっていないか、表裏逆に取り付けていないか確認してみてください。

右手側(USBを挿してない方)だけ全てのキーが反応しない

右手側の ProMicro が抜けかかっていないか、表裏逆に取り付けていないか確認してみてください。

あるいは、TRS ケーブルが奥まで挿さっていない場合や、不良品の場合も考えられます。

左右逆の挙動をする

まず、キーボードを裏側から見ていることに気をつけてください。

それでも逆である場合は、おそらく USB ケーブルを右手側(つまり左側)に挿しているのではないでしょうか。

左右どちらも左手(または右手)の挙動をする

あんまり良くわかってないですが、こうするとだいたいうまくいく事が多いです

  1. TRS ケーブルを抜き、左右両方の elephant42 ファームの焼き直しをする
  2. TRS ケーブルを挿し、左手だけ再度 elephant42 ファームの焼き直しをする
  3. USB ケーブルを抜いてまた挿す

デフォルトキーマップが Mac 用っぽいけど、使ってるの Windows なのですが。。。

ごめんなさい、Windows 持ってなくて動作確認ができていません。 両 OS 間での違いは Opt が Alt 扱いになること、Cmd が Win キー扱いになることだけのはずです。

それ以外、または上記解決策で解決しない

私で解決できるか不安でしかないですが、とりあえず 私に連絡 してきてください。できる限りのお手伝いをします。

がんばって幸せになりましょう!!

(OLEDを使用する場合) OLED の動作確認

さて、OLEDファームウェアを書き込みし直して OLED が光るかを確認しましょう!!

右手側に elephant42 ロゴ、左手側にレイヤー表示とキー入力するたびにちょこちょこ動く 🐘 のアイコンが映れば OK!!

動かない場合はファームウェアの書き込み不良かはんだ不良が考えられます。再度確認しましょう!

フラックスの洗浄

動作確認が済めば、はんだごての出番はもうおしまいです。フラックス洗浄剤を塗りたくりキムワイプで拭き取ってしまいましょう。

基板がピカピカになると最後の組み立てのテンションが段違いですよ!!

ねじ留め

さぁ、完成も間近です。

アクリルプレートから保護紙を丁寧に剥がし、ホコリや指紋や汚れがつかないよう丁寧に組付けると美しく仕上がります。

ProMicro 保護プレートの取り付け 1ProMicro 保護プレートの取り付け 2
ProMicro 保護プレートにスペーサーをねじ留めします。
OLED を取り付けている場合はスペーサー(長)を、取り付けていない場合はスペーサー(短)を使用してください。
さらに ProMicro 保護プレート + スペーサーを基板にねじ留めします。
トッププレートの取り付けミドルプレートの取り付け
トッププレートにスペーサー(短)をねじ留めします。
指紋がつかないよう注意!!
その上からミドルプレートを乗せます。
ホコリを挟みこまないよう注意!!
PCB の取り付けボトムプレートの取り付け
さらに PCB を乗せます。最後にボトムプレートを乗せ、ねじ留めします。
クッションゴムの取り付けねじ留め完了
クッションゴムを貼りつけます。ひっくり返して、キーボード本体の完成です。
キースイッチの取り付けキーキャップの取り付け
あとはお好みのキースイッチを取りつけ・・・キーキャップをはめこめば、できあがり!!

両手ぶん作成し、ケーブル類を繋げれば、貴方だけの elephant42 が目の前にあるはずです。おめでとう!!

(オプション) 完成を喜ぶ

達成感に震え小踊りなどを済ませましたら、 できあがった elephant42 の写真を撮って Twitter にアップなどしてみてはいかがでしょうか? (なお #elephant42 ハッシュタグを付けてツイートしてくださると最高にうれしいです。ご意見や感想などもお気軽にお伝えください。)

カスタマイズする

さて、キーボードは完成しましたがこれは始まりでしかありません。

自作キーボードの真の魅力は、無限のカスタマイズ性にあります。あなたのキーボードを、あなただけの最高のキーボードに仕上げていきましょう。

キーマップのカスタマイズ

デフォルトキーマップではこうなってるけど、自分はこうしたいんだよなぁ。みたいな風に思うこともあるのではないでしょうか?

Remap に接続し、あなただけのキーマップを作り込んでいきましょう!!

Remap を使用しない場合

これらのドキュメントを参考に、キーマップを好きにカスタマイズすることができます。

初めてのファームウェアを構築する はじめてのQMKキーマップ編集

OLED のカスタマイズ

OLED つけたはいいけど、なんかダサいな。とお嘆きのあなた。好きな画像を表示させることもできます。

やりかたは色々ありますが、私はこのサービスを使わせてもらっています。(Helix専用のようなタイトルですが elephant42 でも問題なく使用することができます)

HelixのOLED表示を簡単にカスタマイズするサービスを作った

作成されたファイルを、QMK の keyboards/elephant42/keymaps/default/glcdfont.c と差し替えてファームウェアのビルド・書き込みを行うことで OLED の表示を変えることができます。

アクリルプレートのカスタマイズ

elephant42 は「蛍光エッジ ピンク」というアクリルプレートを使用していますが、なにも絶対にピンクを使わなければならないわけではありません。

プレートのカットデータ を用いて、アクリルカットサービスを利用して好きな色の elephant42 を作ることができます。

専用ケースの 3D プリント

elephant42 専用の 光るパームレスト一体型ケース もあわせて開発中です。

ご自宅の 3Dプリンタや各種 3Dプリントサービスで出力してみてください。

また、プレートのカットデータ も公開していますので、完全オリジナルのケース設計にも挑戦しやすくなっているかと思います。(作ったらぜひ見せてください!!)

日々のお手入れ

掃除

elephant42 はアクリルプレートを素材に使用する都合上、手脂などによる指紋の付着や、静電気によるホコリの付着がどうしても起こりやすくなっています。

気になる場合はプラスチック/アクリル樹脂用の静電気防止機能つきクリーナー材による定期的な分解清掃をお勧めします。

私は 「アクリサンデー 静電気防止クリーナー ポリケアF70」 というものをよく使っています。

ファームウェアアップデート

問題なく動作しているのであれば、実際定期的なファームウェアアップデートはあまり必要ないですが、QMK の新機能を試したい時などはやってみるのも良いかもしれません。

また、 elephant42 のファームウェアとしても、たまに気分次第でアップデートをかけています。興味のある方はぜひ。

さいごに

本ビルドガイドを書くにあたり、なる(@nrtkbb) さんの uzu42ビルドガイド を大変参考にさせていただきました。ほんとうにありがとうございました。

elephant42 は、ふく(@yfuku_) さんの claw44 の設計思想に非常に強く影響を受けたキーボードです。すごく良いキーボードですので、良かったらそちらも試してみてください。