Agent Knowledge Cycle (AKC)
August 19, 2026 · View on GitHub
Language: English | 日本語
Agent Knowledge Cycle (AKC)
AI エージェントのための知識サイクル — エージェントの振る舞いは積み上がり、人間の判断は研がれる。
Agent Knowledge Cycle (AKC) は、永続的な AI エージェントのための 6 フェーズ の成長サイクルです。反復されるエージェント経験を、再利用可能な知識 — スキル・ルール・ドキュメント — へ人間の承認の下で変換し、希少資源である 人間の注意と判断を本当に必要な場所にだけ使いながら、エージェントを 運用者の変化し続ける意図(intent)にアラインさせ続けます。サイクルは人間も 変えます: 回すことで、それを舵取りする判断力自体が研がれていきます。coding agent や永続的 AI harness を日常的に運用する人のために作られており、 Claude Code をはじめ同等の harness の上で動きます。
関連論文: Harness Alignment and Harness Drift: Why Intent, Unlike Correctness, Resists Automation — doi:10.5281/zenodo.20578272
まず試すなら: 単独リポジトリ
akc-cycle のルールファイルを cp
1 回コピーするだけで、任意の AI エージェントに 6 フェーズの振る舞いが入ります —
詳細はサイクルを導入するへ。
なぜ AKC か
ボトルネックは移動しました。 多くの agent framework はエージェント側を 最適化します — より多くのツール、メモリ、コンテキスト、自動化。AKC は逆の 制約から出発します: エージェント能力が伸びるほど、希少資源はループを 舵取りするための人間の注意と判断になります (ADR-0010)。 スキルは陳腐化し、ルールは常駐コストを溜め込み、ドキュメントはドリフトします — サイクルの各フェーズは、その maintenance が運用者の固定予算を食い潰さ ないために存在します。
正しさだけでなく、意図とのアライン。 テストやリンタは、ある出力が仕様を 満たすかを確認できます。しかし、変わり続ける harness が運用者の意図に今も 沿っているかまでは確認できません — 使い込みのなかで判断が研がれるにつれて、 意図そのものが動くからです。AKC はこの configuration layer での活動を harness alignment と呼び、その failure mode を harness drift と 呼びます。導出は ADR-0017 と 関連論文にあります。
サイクルは人間も変えます。 Curate と Promote は、どの知識を残すべきかを 運用者に判断させます。Measure は、その判断が実際に振る舞いを変えたかを検査 します。時間が経つにつれ、エージェントはより一貫し、人間はその一貫性を判断 する力を上げていきます — エージェントの振る舞いは積み上がり、人間の判断は 研がれます。
サイクル
AKC は経験を 6 つのフェーズで durable behavior に変換します。Research が intake を絞り、Extract が再利用可能パターンを捕捉し、Curate が蓄積物を 監査し、Promote が選ばれたパターンを振る舞いを形成するルールへ移し、 Measure が振る舞いの変化を検査し、Maintain がドキュメントと artifact を 整合させます。
flowchart TD E[Experience] --> R[Research<br/>signal-first intake] R --> X[Extract<br/>reusable pattern] X --> C[Curate<br/>structural + semantic audit] C --> P[Promote<br/>human-gated rule or skill change] P --> M[Measure<br/>observable behavior] M --> T[Maintain<br/>docs and artifact hygiene] T --> E
| Phase | 現在の外部スキル | 目的 |
|---|---|---|
| Research | search-first | 広く探索し、次の行動を変える signal だけを取り込む |
| Extract | learn-eval | セッションの再利用可能パターンを品質ゲート付きで抽出する |
| Curate | skill-health + skill-stocktake + rules-stocktake + agent-stocktake | 構造的負債の検査の後に、スキル・常駐ルール・agent 定義を意味的にレビューする |
| Promote | rules-distill | 反復パターンを durable rule に変換する |
| Measure | skill-comply | エージェントが実際にスキルとルールに従うかをテストする |
| Maintain | context-sync + repo-asset-stocktake | 文書役割を清潔にし、consumer が消えた非コード資産を監査する |
3 つの design-pattern skills — when-code-when-llm, code-and-llm-collaboration, signal-first-research — がサイクルの再利用可能な設計判断を担います。さらに 2 つの repo は、phase ではなくサイクルが依拠する概念を scaffold しています。 human-gate は、人間承認ゲート (振る舞いを形成するすべての変更が通る確認点 — ADR-0005)で人間に何を見せるかを 固定します: 将来の振る舞いを形成する変更(何をもって合格とするかを決める テストや検査を含む)は本文を、通常の実装コードは短い固定形式の意図の要約を 見せます。generation-audit は、新しいモデル世代が出たときにルールとスキルを再監査します — 旧世代の 弱いモデルに合わせて書いた足場が、摩擦に転じる時点です。これは Scaffold Dissolution(スキルは足場であり、サイクルが内在化されたら溶けることを 意図している、という原則 — docs/scaffold-dissolution.md)を実行可能な 検査にしたものです。
フェーズ集合と phase-to-skill binding は、それ自体が可変なスナップショット であり、AKC の固定された本質ではありません (ADR-0019)。
サイクルを導入する
最も軽い導入経路は、単独リポジトリ shimo4228/akc-cycle のルール ファイルです。フェーズ別スキルを入れなくても、AI エージェントに 6 フェーズの振る舞いを渡せます:
# github.com/shimo4228/akc-cycle のクローンから、ルールを
# エージェントのルールディレクトリにコピーする。
cp rules/common/akc-cycle.md ~/.claude/rules/common/akc-cycle.md
導入は段階的で構いません。ルールファイルだけで、通常の対話の中からサイクルが 自然に立ち上がります。特定フェーズの段階的な実行ガイドが必要になったら、上の phase skills を追加してください。どれも fork して構いません — AKC が定義する のは実装ではなくサイクルです。スキルは足場であり、サイクルが内在化されたら 溶けることを意図しています(Scaffold Dissolution, docs/scaffold-dissolution.md)。
このリポジトリの中身
| 領域 | 内容 |
|---|---|
| 決定記録 | docs/adr/ の ADR カタログ。0001, 0006, 0007 は v2.0.0 extraction 由来の恒久 gap(その内容は sibling repo の Agent Attribution Practice に移管済み) |
| AI navigation | graph.jsonld が concept map、llms.txt が routing、llms-full.txt が自己完結した事実参照(設計原則の一覧を含む) |
| 仕様 | schemas/episode-log.schema.json, schemas/knowledge.schema.json |
| リファレンス実装 | examples/minimal_harness/: 3 メモリ層と 2 段階 distill pipeline の dependency-free Python demo |
| routing map | docs/CODEMAPS/architecture.md: canonical file-level navigation index |
Limitations
双方向ループは人間側にも失敗しえます — ADR-0014 は gate complacency(承認が時とともに形骸化する)、deskilling(運用者 自身の判断力が衰える)、delegation-feedback divergence(委譲は増えるのに 結果を読む量は減っていく)を名づけています — そして artifact 側の失敗が harness drift です。両者は複合しうるため、AKC は maintenance を一度限りの 設定ではなく cycle として扱います。AKC はこれらのリスクを明示し、人間承認 ゲートを構造的な防御として残します。リスクを消せるとは主張しません。
位置づけ
Harness engineering は、出力が初回で正しくなるように scaffold を改善します。
AKC は、運用者の意図が変化するなかで scaffold をその意図にアラインさせ
続けます (ADR-0009,
ADR-0017)。AKC の個別操作は
Voyager, Agent Workflow Memory, ReMe, MemGPT などの先行 agent-memory 研究
と重なります。差分は loop ownership — 構造的な人間承認ゲート
(ADR-0005)、双方向の判断力の成長、
attention 側の希少性 — にあります。完全な引用経路は
ADR-0013,
ADR-0017, llms-full.txt にあります。
出自と謝辞
このアーキテクチャは 2026 年 2 月に Tatsuya Shimomoto
(@shimo4228, ORCID
0009-0002-6168-4162) によって最初に
提案・実装されました。土台は @affaan-m による
Everything Claude Code (ECC)
— 日常運用の baseline harness — です。そこに著者自身が追加したスキルと
ルールが増え、陳腐化したスキル、矛盾するルール、ドリフトするドキュメントが
それ自体の maintenance problem になったときに、AKC が生まれました。最初の
5 つの cycle skills は 2026 年 2 月から 3 月にかけて ECC に貢献されました。
context-sync は独立に開発されたものです。
引用方法
AKC は 2 つの DOI を持ちます。Concept DOI 10.5281/zenodo.19200726(badge が 使用)は常に最新版に解決され、各 archived release は個別の DOI を持ちます — 引用には下の release DOI を使ってください。
AKC を利用・参照する場合は、CITATION.cff の archived
release metadata を引用してください。同じメタデータは
codemeta.json としても提供しています:
@software{shimomoto2026akc,
author = {Shimomoto, Tatsuya},
title = {Agent Knowledge Cycle (AKC)},
year = {2026},
version = {2.6.0},
doi = {10.5281/zenodo.21644565},
url = {https://doi.org/10.5281/zenodo.21644565},
note = {A knowledge cycle for AI agents -- agent behavior compounds, human judgment sharpens}
}
文中では: Shimomoto, T. (2026). Agent Knowledge Cycle (AKC). doi:10.5281/zenodo.21644565.
関連プロジェクト
研究エコシステムの hub は
shimo4228/shimo4228 です。より
広い研究ライン群の canonical relationship map を持ちます。
| Repository | AKC との関係 |
|---|---|
| Contemplative Agent | AKC 初期 ADR の upstream engineering substrate であり、6 フェーズ cycle の downstream operational re-implementation |
| Agent Attribution Practice | ジャンル違いの sibling library。AKC はサイクル(mechanism)を、AAP は attribution の実践(content)を定義する |
| Authorship Strategy | 同じ日常運用から結晶化した独立の DOI 付き研究ライン。output が operator-agent pair の外へどう拡散するかを扱う |
| Attention, Not Self | sibling 研究ライン。共有 hub repo 経由で相互リンクされ、この repo には統合しない |
| doctrine-corpus | AKC を source line の 1 つに含む bilingual judgment-eliciting Q&A corpus |
| existence-proof | Authorship Strategy を補完する作業リポジトリ。独立の研究ラインにはまだ結晶化していない |
日本語の開発ノートは Zenn、英訳は Dev.to にあります。
License
MIT